ぱすたけ日記

日記っぽいのを書きます。

アウトプットと主体性

今年立ち上げた企画・イベントの振り返り3連発 - Helpfeel Developers' Blog とかを書いているように最近は会社の特に技術的なアウトプットの促進にある程度の力を割いている。これは僕自身がカンファレンスなどに関わっているのと同様に、そういった場を作っていくことで社のアウトプットが増えるのは良いことだと思っているのと、且つそういう仕組みを考えたり実行するのが個人的な興味や趣味の対象であるというのもある。例えば、それぞれの大きい流れだったり演出だったり、裏側の配信の仕組みだったりを考えるのが好きでそれがパチっとハマったり上手くいったときは嬉しい。そういう癖があるので、アウトプットを促進するためだったら、Nota Tech Conf 2022 Springの"全員登壇"を支えた技術 - Helpfeel Developers' Blogのような支援手段を考えることもめちゃくちゃ面白いと思っているし、どんどん頼って欲しいと思っている。

(で、ここからは一般論かつポエムとして読んで欲しいんですが……)

もちろん、こういう活動はある程度そういうニーズとの兼ね合いも重要だと思っている。そういう視点で考えると、企業としては技術的なアウトプットが増えると社の技術的なプレゼンスを出していくことに繋がるので、その辺はある程度推進していきたいという気持ちは当然あるだろうと思う。人事・採用的なチームとしても採用の機会を増やすためにはアウトプットを増やしていって、候補者となるような母集団とのチャネルを開拓して繋いでいくことは希望しているし、彼らのやりたいことの1つでもあると思う。実際に僕も前述のような活動は主に採用チームの支援を受けながら共に行っていることが多い。

一方でアウトプットをすることを実際に実行するのはエンジニア組織である。こういった時に、エンジニア組織は「プロダクト開発」という大きなタスクとの天秤に掛けることになる。ここでバランスを上手く取れれば良いが、多くのエンジニア組織は目の前の「プロダクト開発」を行い、締め切りまでに何かをリリースしたり、KPIを達成したり、スプリントゴールを目指したりしていて、その中にブログの執筆であったり、イベントの登壇などの「アウトプット活動」が存在していないことが多々ある。この結果、「アウトプット活動」はそれらが全て「割り込み」になってしまっているのではないかと思っている。「割り込み」はその瞬間の優先度は最高である(ことが多い)一方で常々には考えないで良いはずのもので、「アウトプット活動」がそういった対象になってしまってないか。

「アウトプット活動」がエンジニア組織のものになっていない結果、採用であったりPRであったりから、「割り込みタスク」として「アウトプット活動」がやってきてしまう。そうしないとエンジニア組織についてのアウトプットが生まれないからである。そうしたアウトプットは楽しくないと思う。話す内容は会社のPRの都合であったり、採用の都合であったりで決定されてしまう。その与えられたテーマに対して捻り出して捻り出す様は見ていて辛いものがあるし、そんなに辛いならもう良いよ…って思うこともある。個人的にはアウトプットは楽しいものであって欲しいし、そうして生まれたアウトプットは読んでいる方にとっても楽しいものになることが多いと思う。楽しい気持ちは伝播する。

「アウトプット活動」の一歩目はエンジニア組織の側にあって欲しいと思う。つまりはエンジニア組織に「アウトプット活動」に対する主体性があるという状態。エンジニア組織にアウトプットの主体性があれば、エンジニア組織の「XXXXについてアウトプットしたい」という気持ちからブログ記事が生まれたり、登壇で楽しく話すことが出来たり、それを載せるのに最適なメディアをPRチームが探してきてくれたりすると思う。そういう場を準備して欲しいとなれば、技術を売りにしている会社だったらサポートを得ることは難しくないだろう。自分たちが出したい「アウトプット活動」を出していって、それが世の中にもちゃんと受け入れられて承認される体験は非常に楽しいものであると思うので、そういったものに浸っていって欲しい。そういうことを目指していけると、自然とアウトプットのクオリティも読む人のことを考えて上がっていくだろうし、気の利いたものになっていくと思う。良いPDCAも回せるだろう。

承認を求めるまくる人のことを承認欲求モンスターと呼んで嘲笑するのがあるけど、どんどん目指していったら良いと思う。ちゃんと承認されるようなアウトプットをドンドン出せる人は偉いっすよ……

そうやって「アウトプット活動」が上手く自分たちの主体性で動かせるようになっていくと、これが「割り込み」になることも無くなるし、クオリティも上がり、もちろん「アウトプット活動」が活発ということはそのエンジニア組織の体外的なプレゼンスが上がるのは勿論、エンジニア個々人としてのプレゼンスも上がり、市場価値が上がり、あわよくば給料が上がるはず。こういったことは勿論、採用にも効果的であることは言わずもがなであると思う。

まぁでも「アウトプット活動」を主体性持ってやるのまずは何からやったら良いんすかね。ブログ記事に出来そうなネタをブレストする?みんなで推薦し合う?もし今手元に引き寄せられてない「アウトプット活動」があるならそれをまずはエンジニア組織に引き寄せると良いんですかね?この辺はよく分かりませんが、なんかあるんだと思います。なんか良い方法とかあったらブコメとかに書いておいてください。

「プロダクト開発」はエンジニア組織の目の前に常にあるものではあるが、目の前にあり、立ち向かう必要があることはそれだけではないはず。これを方便に「アウトプット活動」が上手くなされていないこともありそうというのを感じているままに書きました。

次回予告: 「プロダクト開発」と「開発者体験」