明日2025年7月20日は第27回参議院議員通常選挙の投票日です。
僕が住んでいる京都市を含む京都選挙区は定数2に対して現職2人を含む9人が立候補しています。
現職で自民党の西田昌司と共産党の倉林明子の勝利で決まりかと思っていたところ、序盤から元関西テレビアナウンサーで夕方のニュースワイド番組「報道ランナー」MCの新実彰平が日本維新の会から出馬し、夕方の番組を見ていた現役世代を中心に支持を拡大し、大接戦の様相になっています。
報道各社の終盤情勢評価でも、維新・新実彰平が僅差でトップな評価で、2番手3番手は自民と共産で評価が分かれるという内容になっていました。
- 【参院選】京都選挙区の終盤情勢 維新新人に勢い 共産現職、自民現職、立民新人は?|京都新聞デジタル 京都・滋賀のニュースサイト
- 維新・新実氏優勢 自民、参政、立憲が激しい争い 京都・終盤情勢 [京都府] [参院選(参議院選挙)2025]:朝日新聞
- 京都選挙区、西田と新実と倉林が譲らず 参議院選挙・終盤情勢 - 日本経済新聞
実際の各陣営がどう情勢を見ているのか、またどのような主張で他との差を付けて勝とうと意気込んでいるのかを確認するべく、金曜日に行われた「西田昌司総決起大会」「新実彰平・村山祥栄 合同個人演説会」、土曜日の「倉林明子 ファイナル街宣」を見てきました。
それぞれの候補者の主張の要旨、支援弁士の要旨を掲載します。意図が変わらない程度に省略したり意訳をしている箇所があります。各演説会の様子を録音したものへのリンクを掲載しておくので全文の確認に利用してください。また、その場で演説を聞きながらXに要旨を投稿していたので、その投稿の先頭になっているポストも掲載します。その投稿にぶら下げる形で投稿しているので、全要旨はそちらを確認してください。
「新実彰平・村山祥栄 合同個人演説会」では比例で出馬している村山祥栄の本人の弁と、前原誠司よる弁、また本人とエレベーターで話したので、その内容も最後に掲載しておきます。
全体を通してのまとめ
各陣営、特に西田・倉林は接戦であることを強調していた。新実はあまり戦況への言及はなかった(その後にウェスティンで自身主催の講演会があったので、そっちではもっと言及が合ったかもしれない?)。争点としては京都の話題としては北陸新幹線、全国の話題としては減税・手取りをどう増やすか。
西田昌司
- 自民党を支持する団体の票の取りまとめに苦労している
- 比例に代表候補を出している団体からも支援を渋られていることが多々ある模様
- 西田昌司自身の癖のある主張をどうやって薄めるか
- 現状認識は維新・新実彰平、共産・倉林明子に次ぐ3番手で追い上げを図っているという認識
- 北陸新幹線も地下トンネルによる地下水への影響はないことを強調
新実彰平
- 主張自体は日本維新の会の主張を丁寧になぞる形
- (同日に西田昌司の応援に来ていた)高市早苗も食料品の消費税0は賛成してる
- 北陸新幹線に関して、小浜ルートを止めて米原に通したい。それを言ってる候補者は私だけ
倉林明子
- 自民・西田昌司にほぼ追いついているという認識
- 北陸新幹線の工事の着工をこれまで3度止めてきたのは倉林明子。計画白紙撤回を勝ち取る
- 暮らしが苦しいのは外国人のせいだというのはデマだ。暮らしが苦しいのは自公政権のせいだ(by 志位和夫)
各候補者・応援弁士の発言の詳細
西田昌司
西田昌司総決起大会については人が多く且つ荷物検査などもあり、高市早苗氏の演説の途中からになっています。本人の弁は52:32からです。
緊急に冷やかしに来ました pic.twitter.com/sFAEszGuMS
— マジカルペンネくん🍝 (@pastak) 2025年7月18日
本人発言の要旨
- 減税よりも公共事業などの投資を増やすことで民間にお金が周り経済が成長する方が効果的だ
- (そのような本人が以前から主張している「小さな政府」からの脱却的な主張は)なかなか党内からも指示されていないことは認識している
- (コロナ対策で)ワクチンや医療の助成、失業対策など100兆円を投じた。これは2.5年分の予算だった。財政が破綻するからと反対されたが、国民の生活と命を守るためにやった。コロナ禍を乗り越え、更には経済も成長した。税収も増えた。
- 北陸新幹線について懸念事項があることも知っている。国が事実を説明して誤解のないようにしていき、理解の上で進めないといけない。南海トラフ地震に向けてインフラ整備が日本海側に必要なことも伝えていきたい。
- 自身の初めての選挙戦の時よりも厳しい戦いになっている。私がここで議席を失えば、京都がどうなるのか、日本がどうなるのか、皆さんの誠意に報いることが出来ない、そのことは避けなければならない
- (「ひめゆりの塔」に関する発言について)発言でお騒がせ、ご心配をおかけしたことについては謝罪。正しく発言の意図などが通じていないとも感じている。
選対委員長の伊吹文明の発言の要旨
- 自民党は今回50議席で過半数を抑えられる。もし参議院で野党が過半数取ったとして、参政党と共産党が一緒に過半数を守るために連立政権をするのは不可能で任せられるはずがない。無政府状態になってしまう。西田、大阪、神戸が勝てれば自民党は過半数取れる。西田を勝たせることが無政府状態を避けることにつながる。
- 西田さんは色んなことを言ったが、選挙で勝ってからの話だ。勝たないと何も出来ない。言いたいことはあるだろうが、自民党の中の考えの違う人からも投票して貰わないといけない
- 比例で自民党候補を推している団体関係者も「1枚目に西田さんはちょっとね」という方々が沢山いる。そこの票を1つでも増やさないといけない。
新実彰平
維新から比例で出馬している村山祥栄との合同個人演説会。村山祥栄の後援会が主催していたので、前原誠司は村山祥栄の話をしていた(これについては末尾に掲載します)
到着しました pic.twitter.com/jgIWUzSvbs
— マジカルペンネくん🍝 (@pastak) 2025年7月18日
本人発言の要旨
- 物価高をどう乗り切るか。食料品の消費税を0にする。5兆円でやる。(この辺の話は日本維新の会の主張をそのまま言ってるだけかな)高市早苗も食料品の消費税0は賛成してる。ガソリン減税がどうなるかは参院選次第。
- 野党も与党も適当言ってる候補者がいるのではと思っている
- 社会保険料を下げたいと日本維新の会は思っている。まず若い人の社会保険料の負担が上がっている。若い人の手取りを増やしたい。高齢者の人にも納得してもらって一緒に進めたい。
- 日本医師会が自民党に献金することで妨害している。これで国民が割りを食ってる。日本維新の会は献金を断っているからこそ、主張できることがある。
- 北陸新幹線は30年後にしか出来ないのに必要なのか?そしたら言ってる南海トラフ地震に間に合わないのでは?地下水と土砂どこにするのか?小浜ルートを止めて、米原に通したい。それを言ってる候補者は私だけ。
倉林明子
JR二条駅西口で行われた最終街宣を聞いてきました。選挙戦最終日は志位和夫委員長も京都入りして、倉林明子に帯同していました。司会者が最後に「倉林明子は当落線上におります」と言っていたので、西田昌司と競っているという認識の模様。
日本共産党の街宣車が来ました pic.twitter.com/1W82gZ546j
— マジカルペンネくん🍝 (@pastak) 2025年7月19日
本人発言の要旨
- 最後の最後に自民党に追い付き、あとは追い越すしかない。京都から自公を少数に。
- 北陸新幹線を強引に進めてきたのは自民党の現職候補。北陸新幹線の工事の着工をこれまで3度止めてきたのは倉林明子。計画白紙撤回を勝ち取る。
- 最低賃金全国1500円を直ちに、さらに1700円を目指す。
- 大企業の内部留保を政治の力で吐き出させる。年
- 金積立金を取り崩して年金の受取額を引き上げさせる。
- 憲法9条を守り抜く。軍備費を減らして米作りを続けられるように農業支援に回す。
日本共産党委員長の志位和夫の発言の要旨
- 参議院でも自公を少数に追い込むべく戦ってきた。そして、その可能性が濃厚になってきた。裏金追求をしてきた日本共産党の頑張りの成果だ。
- 倉林明子さんの勝利で自民党さよならの勝利としたい
- 自民党の幹事長は消費税を守り抜くと連呼しました。守るべきは生活ではありませんか?
- 大企業はもっと税金を払う能力があるはずだ。石破首相も大企業には負担する能力があると田村党首との討論で認めた。
- この選挙では排外主義が話題になってきた。人間にファーストもセカンドもない。暮らしが苦しいのは外国人のせいだというのはデマだ。暮らしが苦しいのは自公政権のせいだ。
- 排外主義は戦争への道であることは歴史の教訓だ。
- 日本の政治には時流に流されず正論を言う日本共産党が必要なのではないか
村山祥栄(日本維新の会・全国比例区)
個人演説会が始まる前にエレベーターに乗ったら本人と2人になったので、現状認識を尋ねたりした。
村山祥栄さん本人とエレベーターでたまたま2人だったので軽く情勢認識を尋ねた。比例順位として今第4位〜5位くらいの立ち位置にいる。維新の会の比例獲得見込みが3議席なので、もう少し順位を上げたいとのこと。一方でもう少しの伸びでそこに届くとも考えているとのこと。
— マジカルペンネくん🍝 (@pastak) 2025年7月18日
本人発言の要旨
- 参院選に出るとは思ってなかった。(市長選に落ち続けて)6年浪人している。全国の地方議員の研修をしてきた。その中で逃げてきた問題に気づいた。京都市の経営は間違ってると主張してきた。それだけではなかった。
- 同和問題をこれまでやってきた。その中でも同和対策の市営住宅を市営住宅に転用しようとしたら国に止められてきた。そういうあべこべなことがいっぱい起きている。
- 前原、新実、村山で乗り込めば維新の会を大阪の政党から乗っ取れるのではないか。
- 国政で活躍をして、社会保険料を下げて、そしてまた京都に帰ってきて市長選を戦いたい
前原誠司の発言の要旨
- 自民共産の2強体制ではダメではないかというところ、特に府知事選挙、市長選挙は連合中心になって自民が金魚のフンになっている。旧民主党議員は居場所がない
- : 自民党に変わる、共産党ではない軸を作るために京都市議会でも連立会派を組んできた。前回は村山市長を作りたかった。前回は前回のことなので……村山さんは1年間謹慎をされていて、「もったいなかった」と伝えた。勝てると思っていた。
- 維新の層を厚くするためにも仲間にと。そして国政の経験を持ってまた市長選に向かっていって欲しいと思っている。
- この2人が国会議員になったら党を引っ張っていってくれる、大阪の党でなくなる。ここから、京都から、日本維新の会を立派にしてくれる。