ぱすたけ日記

日記っぽいのを書きます。

「ユニコーン企業のひみつ」を読んだ感想

「ユニコーン企業のひみつ」をGW中に読んだあとに書いたツイートを貼りつつ補足を書いてみます。

読んでから数日経って振り返った感想としては

  • 書いてある内容は現実の良い話事例とそれを抽象化したプラクティスという感じで良かった
    • 全体を通して、すでに実感していたりエピソードとして知っていることも多いが、それらについて言葉を使った効能の説明があったり、そのことに関して自分には無かった視点からの説明のアプローチがあったりして、気付きがあるという感じだった。
  • 一方で"エンタープライズ企業"の社員がこれを読むのは「スタートアップに転職したときのための心準備」という感じだし、さらにスタートアップの構成員が読んでも、じゃあこれに感化されて「企業組織」を作れるかというとそれも怪しいなと思った。そういう意味ではこの本で熱を受けたらその熱をなんらかの方法で上司に伝播させトップダウンで文化を作ったり変えていくことを決める必要がありそうだなと思った。
    • 「ミッション」ベースで進めていくのはとてもボトムアップ的なアプローチであるけど、これをゲットするにはまずはトップダウンで決断をする必要があるので、Spotifyもこれを初期の頃にやっていて、その時のトップが今も居るので維持されてアップデートされているのだなと思った。
      • 例えば、もっと大きくなって外から偉い人がやってきても理解され続けるのかというのは気になる
    • なので、スタートアップをこれからやる人とかはこういうのを読んで憧れておくのは良さそう。そのうえでどう自分に取り込めるか。
  • 権限や信頼は勝ち取っていって、それを我々に与えることで生まれる価値を示し続けるのをやっていくしかないといけないなぁと思った

  • 僕がアルバイトだった頃から4半期会で会社の財務指標や各サービスの指数が社長から説明付きで共有されていて便利だな〜と思っていた
    • こういう情報公開が大小色々あると横から口を出してコラボレーションも出来るし、ボトムアップでチームとしてどういうアプローチで問題を解決するかを話し合える感じになっているなと。
  • 改めて自分たちが得ている文化みたいなのってこういう風に説明できるんだなと思った。こういうのを使って、その状況の価値というのを伝え続けていく必要があるなと思うなどした。

  • ちょうど知り合いから「スタートアップで『テック企業文化』を作るにはどうしたらいいと思うか」という相談をされていて、ちょうどTeam Geekとかを引用しながら、スタートアップとエンジニアカルチャーみたいなことを考えていたのだけど、そんな中でこの本が出たので、その練っていた文章を全部捨てて、「まずは『ユニコーン企業のひみつ』を読みましょう」とした。
  • 非エンジニアも含めて文化を作って、ときにはスクワッドなどを通して色々な人とチームを組んで会社のミッションに取り組んでいくというストーリーが存在していることに注意しないと、「文化の中心」がエンジニアに寄りすぎてしまうなと思った。この相談を受けたときも「非ITエンジニアとして」みたいな主語が存在していたので、まずはこれを否定する作業をしていたのだった。

  • 「XXXにお金を出します」というのは何をどうやって速度を高めるかという話であるのだなという視点は今まであんまりなかったなという気付きがあった。例えばこの話は「オライリーの本が全部読みたいときに読めて、発売日には届いてて便利だなあ〜」というくらいの受け止めだったけど、たしかにこうしてある程度読むだろうからということでオライリーの定期購読にお金を出すことで、僕らがその本にアクセスする速度が上がってそれがアウトプットとか成果の速度の向上に繋がるのはそりゃそうだなと思った。

  • ある後輩がスタートアップに誘われてCTO的な立ち位置に居たんだけど、ある時その後輩とそのスタートアップのCEOとそれぞれと話す機会があり話を聞いてみると、その後輩は「示されている締め切りには間に合うのだから、間に合えばその間はどういう進め方でもいいだろう」と思っていたが、CEOは締め切りが迫っているのに焦っている気配がなくて心配なので、「もっと真面目に取り組んで欲しい」みたいなことを言ってしまうという衝突があり辛いという話だった。そのCEOに「締め切りに間に合うと言っているのならそれを信頼するのがまずが必要なのでは」と伝えたりしていたけど、まさにこの話だな〜と思った。
  • CEOやマネージャーはチームを信頼して権限を与えて、口を出さない。チームは一方で社が示しているミッションやゴールを達成するように頑張って信頼に応え続ける。この往来をお互いにやっていかないとそこがズレてしまって軋轢になってしまうんだなという風に当時のことを思い出したりした。
  • この本を読むとこの2つ「信頼する」と「権限を与える」がとにかくキーワードとして出てくる。この本を読む前から僕の所属している会社ではそういう文化があったけど、一方でこのエピソードのようにその文化が無く衝突してしまうこともあると思うと、この2つの柱を獲得できていたのは良かったなと思うものの、これをどうやって得るかという問題はありそうで、この本でも天賦されるようなものとして登場するので、これを得る得ないの断絶があるのは辛い。これからは断絶していそうなときにこの本からその発想を得られるのは最高なのでは?

というわけで感想と本を読んで思い出したりしたエピソードを書き殴ってみました。