メモ
あ、楽園追放の感想ブログに戦闘シーン関係のことを書くの忘れてたの思い出したし明日書こ @pastak
— サブカルペンネくん (@pastak) November 17, 2014
『楽園追放』っていうニトロプラス/東映アニメーション原作で監督が水島精二さん、脚本虚淵玄さんのアニメ映画を見てきた。
Amazonプライムビデオだと無料で観れます
入場者特典もパンフレットも劇場版Blu-rayも売り切れてた。
楽園追放、Blu-rayもパンフレットも売り切れてて悲しい pic.twitter.com/LR7oYPLaOu
— サブカルペンネくん (@pastak) November 17, 2014
以下、それっぽい感想。(ミスってる部分あれば教えて下さい)
楽園追放、音楽はかなり良かったと思う。
— サブカルペンネくん (@pastak) November 17, 2014
ストーリーはサイトにあるのだとよく分からないけど、見たらシンプルで虚淵玄作品によくある『次のステージに登った人間(生命体)』と『人間』の構図という感じだった。
ナノハザートで地球が廃墟になってしまったから、それらを捨てて電脳世界で生きていく選択をした人間側の保安官アンジェラと地上に残り続けている人間の1人のディンゴが中心で話が進む。
アンジェラは地球の大気を埃っぽいと言い、物理的な肉体さえも煩わしく思っていて、それはもうディーヴァはメモリを詰めばなんでも出来て幸福になれるとディーヴァのことを説明していた。ロックもディーヴァでは過去のものとされておりアンジェラはうるさいだけの音楽と言い放っていた。
2人は他のエージェントを出しぬき、そんなこんなで色々ありつつも、”敵”とされているフロンティア・セッターに遭遇するも、敵視されるどころか歓迎される。
フロンティア・セッターは過去の宇宙移住計画時に生み出されそのまま破棄されたロボットのAIが長年のやり取り(その後も移住計画はこのフロンティア・セッターによって進められていた)の中で自我を獲得したと自身について語り、ディーヴァにアクセスした目的を人間を宇宙移住させる目的を遂行するための手段であったと釈明し、攻撃の意志がないことなどを主張しアンジェラもそれに納得する。
そのことをディーヴァに報告するべくフロンティア・セッターはアンジェラをディーヴァに送るための通信の準備を始める。そこでディンゴは先程のロックを作業中に口ずさんだところ、フロンティア・セッターはこれに反応、これを「好き」(ノイズでありつつもプロセッサーの働きを早めるものが『好き』という感情だと理解するには長い時間を要したがそれによって自我に気付くキッカケを得たと説明する)だと表現し、自分で足りない音を加えたアレンジを作ったと披露する。
そのやり取りを見たアンジェラは不満そうな顔をしながらそのやり取りを眺め、ディンゴはフロンティア・セッターに実は人間が恋しかったんだろと話す。
アンジェラはディーヴァに戻ってフロンティア・セッターに攻撃の意志はないこと、共存することは可能であることを説明するもディーヴァ高官はそれらアンジェラの判断を否定しアンジェラを反逆者としとし永久凍結を実行する。フロンティア・セッターは不正アクセスによってこれを救出、この行動をディンゴから『仁義』であると教えられる。
それからはディーヴァ側のマシンを奪取しそれに乗って地球に帰還、他のエージェントたちがロケット発射台に攻め込んでくるもロケット発射台を守りぬきフロンティア・セッターは無事宇宙に発つという感じの話(書き出したらほぼ全部書いてしまった)だった。ちなみにアンジェラは楽園追放されたので、そのままディンゴと過ごすことになるというオチ(フロンティア・セッターに一緒に宇宙行きを誘われるも『この世界には知らないことがたくさんある』と言って断る)。
冒頭で書いた虚淵玄作品によくある『次のステージに登った人間(生命体)』と『人間』の構図
というのはざっくりと例を出すと、『まどかマギカ』では『キュゥべえ』、『ガルガンティア』では『ヒデアーズ』、『サイコパス』だと『シビュラシステム』が人類を超えた生命体として作中に出てきてこれが大体敵対するわけなんだけど、『楽園追放』はそういう意味では面白い関係だったと思う。
まずは『人間』と『ディーヴァの人間』について。
まずディーヴァの人間について整理しておくと、彼らは受精後にパーソナルデータ(多分DNA的なもの)が電子化されそのバーチャルな空間で生きていることを選択した人類であり、アンジェラは作中でメモリさえあれば知覚を高め、素粒子を知覚したりすることも可能であると説明する。また、人間は社会への貢献度によって所有可能なメモリ量などが決まる。(この部分は『サイコパス』っぽいなぁと思った)これによって努力し社会に貢献することこそが人間の価値であり、それが出来ない人間は他の人間にメモリや領域を譲るべきであるとアンジェラは話していた。ちなみにディーヴァではそれはもう肉体では感じることが出来ないほどの快楽を感じることが出来るらしい。
で、『人間』と『ディーヴァの人間』の関係は主にディンゴとアンジェラの会話のアンジェラのセリフからアンジェラから見ることが出来る。人間についてアンジェラは遅れた『旧石器時代同等の生活をしている』と言って卑下する。『人間』の価値観と『ディーヴァの人間』の価値観の相違を一番象徴的に且つ端的に表していたのが前述したロックを巡るやり取りだと思う。
アンジェラはロックをただうるさいだけで古くて残る価値のないサブカルチャーだったからディーヴァでは流れないし聞くこともないと言い放つ。それに対してディンゴはロックをうるさいだけと感じるのは音を聞いているだけで、そうではなくて骨でビートを感じるのが心地良いんだと説明する。アンジェラは骨で聞くのが気持ちいいならそれを超える快楽なら簡単にディーヴァでは味わえると説明する。
こんな感じで『ディーヴァの人間』は『人間』を遅れた感覚を持ち、非合理的な生物であるというふうに認識しているように取れる。ただし、元は同じ人類であることを認識しているし、彼らは遅れているので高度に電子化されたディーヴァに対しての脅威になり得ることは絶対にないとしているのか敵対するようなフレーズなどはなかった。(寧ろ、アンジェラとディンゴの関係から見るに共存している)
これまでの虚淵玄作品だとこの2勢力がなんだかんだで対立する構図が描かれることが多かったけど今回はここにフロンティア・セッターという『高度に独自の成長を遂げた野良AI』が介入する。
この『野良AI』は目的に純粋であり、また『ディーヴァの人間』が持ち合わせない(または電子化の過程で捨てた)感情や感覚などを持ち合わせた存在として描かれている。
『人間』のディンゴとフロンティアセッターはすぐに打ち解けあいお互いに音楽を奏でたりなどの交流を深めるが、始めアンジェラはここには溶け込めない。しかし、ここまでの道すがらで病気になり看病されたりするなどでディンゴによって人間的な要素を見てきたアンジェラは2人の様子を羨ましそうに見、そしてフロンティア・セッターたちは脅威ではなく『共存できる』と感じる。
だけども結局『ディーヴァ』サイドはこの『野良AI』を最大の脅威であると認識して『共存』を受け入れない。アンジェラはディーヴァを追放され、ここからは人間とフロンティア・セッター側に付く。実際その後は描かれていないけど、アンジェラはこの対比の中で作中を通して最終的には『人間』的になっていったのだろう。
勢力的には『人間と野良AI』VS『ディーヴァ』という構図で最終的には収まりを見せ、無事ディーヴァへの対抗は成功するわけなのだけど、最後の最後にディーヴァ高官達のセリフで『このようなことがないようにもっと引き締めなければ』というような不穏なセリフが挿入されていることからもきっと、『ディーヴァ』を監督する高官たちもすでにAIになっており、野良AIの存在は許されなかったのだろうという感じだったんだろうなと思った。
大体こんな感じの理解をしていて、結局虚淵玄はこういう構図と不穏さを後味に残すのが好きだなぁという感想だった。
楽園追放見てて話も好きだし良かったけど、虚淵玄はそろそろあの構図の路線以外にしないと飽きそうってのと設定が良いのに劇場の短い時間で描かれない部分が多くてもったいないと思った
— サブカルペンネくん (@pastak) November 17, 2014
パンフレットの代わりに虚淵玄のインタビューが収録されてるNewtypeを買ってきたので読んだら追記するかもしれないし、もしパンフレットなどの情報で補えることがあれば教えて下さい。
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